商品開発になぜ専門職が必要?新規事業のチーム体制と役割分担
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なぜ商品開発には専門職が必要なのか?「できる」を分解して考えるチームづくり

新しい商品やサービスを考えていると、

「これは売れそうだ」

「技術的には作れそうだ」

「できる人にお願いすれば形になるだろう」

と考えることがあります。

私自身も、そう考えて仕事を進めたことがあります。

必要な仕事を外部へ依頼して、それぞれの専門家に作ってもらえば、商品として完成していく。

以前は、どこかそのように考えていました。

しかし実際に進めてみると、それだけではうまくいきませんでした。

今振り返ると、問題だったのは「外注したこと」ではありません。

そもそも一つの商品を完成させるために、どんな仕事が必要で、誰が何を判断し、どこまで責任を持つのかを、十分に整理できていなかったことでした。

「できる」と言われても、商品が完成するとは限らない

新しい取り組みでは、当然ながら最初から答えが分かっているわけではありません。

技術的に実現できるのか。

想定した品質まで持っていけるのか。

予算内に収まるのか。

使いやすいものになるのか。

実際に顧客がお金を払ってくれるのか。

量産できるのか。

運用を続けられるのか。

多くのことは、実際に調査したり、作ったり、試したりしなければ分かりません。

だからこそ、新しい商品を作る仕事には難しさがあります。

その一方で、仕事を依頼すると、

「できます」

という言葉を聞くことがあります。

この言葉はとても心強いものです。

特に自分が詳しくない分野では、「専門家ができると言っているのだから大丈夫だろう」と考えたくなります。

私も、その言葉に頼ってしまった部分がありました。

しかし、後になって考えてみると、「できる」にはいろいろな意味があります。

「できる」を分解すると、確認することが増える

例えば、

「技術的には実装できる」

という意味での「できる」と、

「予算と期間の中で、商品として完成させられる」

という意味での「できる」は同じではありません。

さらに、

「一度動くものを作れる」

ことと、

「継続して利用できる品質にできる」

ことも違います。

商品開発では、この違いを発注する側も理解しなければならないと感じています。

少なくとも、

「なぜできるのか」

「どこまで確認できているのか」

「まだ分からないことは何なのか」

を自分たちでも分解できない状態で、一気に大きな仕事へ進むことにはリスクがあります。

私自身、この部分を十分に理解しないまま進めたことで、一度立ち止まってプロジェクトそのものを見直すことになりました。

一つの商品を作る仕事は、思っていた以上に細かく分かれていた

その後、適切なプロジェクトマネージャーへ相談し、改めてチームを組み直すことを考えました。

そこで改めて気付いたのが、

一つの商品を作るという仕事の中には、想像以上に多くの専門領域が含まれている

ということです。

例えば商品によっては、

  • 何を作るのかを整理する企画
  • 誰が購入するのかを考えるマーケティング
  • 本当に実現できるのかを確認する技術検証
  • 全体の構造を考える基礎設計
  • 利用者の操作や体験を考えるUI/UX
  • 実際に制作・開発する担当者
  • 動作や品質を確認する検証
  • 全体の進行や判断を整理するプロジェクトマネジメント

などがあります。

もちろん、すべての商品に同じ専門職が必要という意味ではありません。

一人が複数の役割を担当することもあります。

重要なのは人数ではなく、

必要な役割が存在しているか

ということだと思います。

専門職があるのは、仕事を難しくするためではない

以前の私は、「専門家に仕事をお願いする」という考え方をしていました。

しかし今は少し違います。

専門職が存在する理由は、それぞれ違う視点から問題を確認するためなのだと考えています。

例えば、技術者から見れば問題なく作れるものでも、利用者から見ると使いにくいことがあります。

デザインとして成立していても、製造条件に合わないことがあります。

顧客が欲しがっていても、価格を聞いたら購入されないかもしれません。

一つの視点だけでは見落としてしまうことを、違う専門性を持った人が確認します。

その積み重ねによって、ようやく一つの商品になっていく。

実際に商品開発へ関わるようになって、以前よりこの意味が分かるようになりました。

外注しても、発注側の仕事はなくならない

もう一つ大きかったのが、外注についての考え方です。

外部へ仕事を依頼すれば、その仕事をすべて任せられるように感じることがあります。

しかし、責任範囲が曖昧なまま進めると、

「そこまでは依頼されていない」

「それは発注側で確認するものだと思っていた」

「こちらは言われたものを作った」

という認識の違いが起こる可能性があります。

これは、どちらか一方が悪いという話ではありません。

最初に役割を決めていなければ、それぞれが自分の責任範囲を違う形で理解してしまうことがあります。

だからこそ、外注するときほど、

誰が企画するのか。

誰が仕様を決めるのか。

誰が技術的な成立性を判断するのか。

誰が品質を確認するのか。

誰が最終的に承認するのか。

問題が起きたとき、誰が判断するのか。

といったことを先に整理する必要があります。

そして、外部へ依頼したからといって、発注者の責任がなくなるわけではありません。

何を外部に任せ、何を自分たちで確認するのか。

そこまで決めて初めて「外注」という選択肢が機能するのだと思います。

失敗をゼロにするのではなく、大きな失敗になる前に確認する

新しい商品を作る以上、失敗を完全になくすことは難しいと思います。

むしろ、やってみなければ分からないことがあるのが新規事業です。

だからこそ当社では、最近は「失敗しないこと」よりも、

失敗したときの影響を小さくすること

を重視しています。

最初から大きな金額を投じて完成品を作るのではなく、まず調査する。

次に、小さく作ってみる。

技術的に分からない部分があれば、その部分だけ検証する。

顧客の反応が分からなければ、先に聞いてみる。

PoCや試作を通じて一つずつ確認し、

「ここまでは分かった」

という状態を増やしながら次へ進みます。

一度の失敗が会社にとって大きな損失になる可能性があるからこそ、確認できていないことを抱えたまま一気に進めないことが重要だと考えるようになりました。

「誰に頼むか」の前に「何の仕事があるか」を考えてみる

新しい商品を考えたとき、

「どの会社にお願いしよう」

「誰なら作れるだろう」

と考えることは自然です。

ただ、その前に一度、

この商品を完成させるためには、どんな仕事が必要なのか

を分解してみることをおすすめします。

そして、

誰が考えるのか。

誰が作るのか。

誰が検証するのか。

誰が判断するのか。

それぞれを書き出してみる。

空欄になっているところがあれば、そこがプロジェクトのリスクかもしれません。

私自身、失敗してから初めてこのことを強く意識するようになりました。

商品は、一人のアイデアだけでは完成しません。

多くの専門性を組み合わせ、それぞれの役割をつなぎながら形になっていきます。

だからこそ、専門職があります。

まとめ|大きく作る前に「なぜできるのか」を説明できる状態にする

新規事業では、最後まで成功するかどうかを事前に知ることはできません。

だからこそ、「できる」という言葉だけで進むのではなく、

なぜできるのか。

誰がそれを確認したのか。

まだ分からない部分はどこなのか。

誰がその部分を判断するのか。

を一つずつ整理する必要があります。

自分たちでそれを説明できない段階なら、いきなり大きく進めず、まず小さく検証する。

今回の経験を通じて、それが新しい商品やサービスを作るうえで大切なことだと感じています。

株式会社アンドワイコンセプトでも、新規事業や商品開発について、完成品を作ることからではなく、目的や役割、確認すべきことを整理する段階から一緒に考えています。

まだ「何を誰に頼めばよいのか」まで固まっていない段階でも、そこから整理することが商品開発の一部だと考えています。