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ホームページをリニューアルしても売上が変わらない製造業の共通点とは?「コンセプト不在」の罠

ホームページをリニューアルしたのに、問い合わせも商談も増えない。製造業では、実はよく起きる現象です。制作会社の提案通りに見た目は整えたのに、売上は横ばい。すると「うちはネットに向いてないのかな」と感じてしまいますよね。でも、そこで諦める前に確認したいのが、“コンセプトが不在のまま作り替えていないか”という一点です。

リニューアルで成果が出ない製造業には、ある共通点があります。それは、ホームページが「会社紹介のパンフレット」で止まっていて、「受注のための設計図」になっていないことです。見た目が良くなっても、届けたい相手が曖昧なら、伝わる価値も曖昧になります。結果として、誰にも刺さらない、無難で立派なサイトが完成してしまいます。

売上が変わらない製造業に多い「コンセプト不在」の罠

コンセプト不在の状態では、サイトの文章が“自社が言いたいこと”中心になります。技術力、設備、品質、短納期、ワンストップ。どれも間違ってはいません。ただ、同じことを言う会社が多い領域ほど、比較されるのは価格や距離になりがちです。つまり「違いが伝わらない」わけです。

さらに厄介なのは、ターゲットが広すぎるケースです。「法人全般」「製造業全般」など、対象が広いほど、言葉は薄まります。本来伝えるべき“正しい価値”が、“本当に届けたい一人”に届かない。このズレが、問い合わせの質と量を下げていきます。

デザインの前に揃えるべき「方向性」の話

リニューアルで成果を変える鍵は、見た目より先に「方向性」を決めることです。ホームページは、営業活動の一部として機能して初めて意味があります。では、その方向性は何で決まるのか。ポイントは、徹底した顧客の絞り込みです。

1) マーケットを“狭く”定義して、比較の土俵を変える

例えば「加工」でも、用途・業界・ロット・納期・品質基準・調達の事情で、求められる価値は変わります。ここを区切らずに「なんでもできます」と言うほど、相手は判断できません。むしろ「こういう条件の案件に強い」と言い切れる方が、相談が来やすくなります。

2) ペルソナは“役職”ではなく“状況”まで描く

「購買担当」だけでは足りません。どんな制約で動いているのか、何を恐れているのか、社内で何を説明しないといけないのか。たとえば、失注よりも「トラブルで怒られること」を恐れている担当者も多いです。そこまで想像できると、刺さる言葉が変わります。

3) コンセプトは“一文”で言える状態にする

コンセプトは、キャッチコピーのことだけではありません。「誰に」「どんな価値を」「何のために届けるのか」を一文で揃えることです。この一文があると、トップページの構成、事例の見せ方、問い合わせ導線、資料の内容まで一貫します。逆に一文がないと、ページごとに言うことがブレて、読後に何も残りません。

ホームページを“受注導線”に変える具体策

方向性が決まったら、次はサイトを受注までの流れに合わせて組み直します。

事例は「実績の羅列」ではなく「判断材料」にする

製造業の検討者が知りたいのは、同じような条件で本当に対応できるか、です。業界、課題、制約、工夫、結果。その筋道が見える事例は、営業の代わりに信頼を積み上げます。

比較される前提で「選ばれる理由」を整える

強みは“並べる”だけでは弱いです。なぜそれが実現できるのか(体制・工程・品質保証・コミュニケーション)、どこまでが標準で、どこからが個別なのか。安心の根拠を言語化すると、価格勝負から抜けやすくなります。

問い合わせは「相談の入口」を増やす

いきなり見積依頼はハードルが高い場合があります。「仕様が固まっていない相談」「図面が未確定の相談」「代替案の相談」など、相手の状況に合わせた入口があると、接点が増えます。結果として、商談の母数と質が上がります。

まとめ:リニューアルは“見た目の刷新”ではなく“価値の再定義”

製造業のホームページリニューアルで売上が変わらないとき、原因はデザインの良し悪しではなく、コンセプト不在による“伝える相手と価値のズレ”にあることが多いです。マーケットを定義し、ペルソナを深く描き、価値を一文で揃える。その上で受注導線に落とし込むと、ホームページは「会社紹介」から「営業資産」に変わっていきます。
まずは、実績の多いマーケットを定義し、これまでで一番多かった依頼背景を軸として、自社の価値を一文で揃えられたら、コツがわかるかもしれません。

もし今、成果が横ばいでも大丈夫です。方向性が揃えば、伝わり方は変わります。自社の“正しい価値”が、“本当に届けたい一人”に届く状態を、もう一度設計してみませんか。