展示会で足を止めてもらうには?体験したくなる集客の見せ方
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展示会で足を止めてもらうには?「いつもの体験」を少し非現実に変える集客の考え方

展示会やイベントでは、限られた時間の中で多くのブースが来場者の目に入ります。

その中で、「どうすれば自社のブースに足を止めてもらえるのか」は、出展する企業にとって大きな課題の一つです。

目立つ装飾をする。大型モニターを置く。動画を流す。ノベルティを配る。

方法はいろいろありますが、同じような展示方法が増えると、それだけでは違いをつくりにくくなります。

先日、ある大型イベントで当社のタッチサイネージを貸し出す機会がありました。

そこで印象に残ったのが、普段はスマートフォンで遊ぶアプリを、大きなタッチ画面で体験できる展示です。

一時は20人を超える列ができていました。

この光景を見ながら、展示会の「初見の印象」について改めて考えるきっかけになりました。

同じアプリでも、画面が変わると体験が変わる

今回展示されていたのは、スマートフォンで操作するタイプのアプリでした。

やっていることだけを考えれば、普段スマートフォンで行っている操作と大きくは変わりません。

しかし、それを自分の身体に近い大きさのタッチ画面で操作すると、見え方は大きく変わります。

普段なら指先だけで行っている操作を、腕を動かしながら大きな画面で行う。

周囲にいる人からも、何をしているのかが見える。

「スマートフォンで遊ぶ」という日常の行動が、会場では少し非日常的な体験になっていました。

もちろん、今回人が集まった理由をサイネージだけに求めることはできません。

アプリそのものの認知度やイベント前の告知、会場の場所など、さまざまな要素が関係していると考えています。

それでも現場を見ていて感じたのは、「普段知っているものが、見たことのない状態になっている」こと自体が、体験する理由になり得るということでした。

「大画面なら集客できる」わけではない

ここで一つ疑問が出てきます。

「大きな画面で遊べるなら、アプリは何でもよいのか」ということです。

私は、そうではないと考えています。

大画面であることは、あくまで手段です。

重要なのは、ブースの前を歩いているターゲットが見た瞬間に、

「何をしているのか分かる」

「ちょっと面白そう」

「自分もやってみたい」

と思えるかどうかです。

知らないものを大きく表示しても、何をしているのか分からなければ、そのまま通り過ぎてしまう可能性があります。

反対に、ターゲットがすでに知っている行動や商品、サービスに、少し意外な見せ方を加えると、一瞬で理解しながら違和感も生まれます。

今回でいえば、

「スマートフォンで遊ぶ」

という現実に対して、

「それを大きな画面を直接触って遊ぶ」

という非現実を加えたことになります。

完全に新しい体験をゼロから作ったわけではありません。

いつもの体験を少しだけずらしただけです。

この「分かるけれど、普段とは違う」という状態が、展示会では面白いのではないかと感じました。

初見で必要なのは、詳しい説明より「体験したい理由」

展示会では、来場者が最初から自社の商品やサービスに興味を持っているとは限りません。

多くの場合、まずブースの前を通ります。

その短い時間の中で、

「自分に関係がありそう」

「何かやっている」

「ちょっと見てみたい」

と感じてもらわなければ、その先の説明まで進みません。

だからこそ、商品説明を考える前に、

「ターゲットは、何を見たら足を止めるだろうか」

を考える必要があります。

ここで重要なのは、単純に派手にすることではありません。

まず、来場者にとっての「普通」を考えます。

普段どこで商品を見ているのか。

普段どのように操作しているのか。

普段どのくらいの大きさで見ているのか。

普段どんな場面でそのサービスを使っているのか。

その「普通」を整理したうえで、一部分だけを非日常に変えてみます。

今回の大型タッチサイネージも、その一例だったと思います。

人が集まると、それ自体が展示になる

今回もう一つ印象的だったのは、人が並び始めると、その光景そのものが周囲から見える展示になることです。

大きな画面で誰かが操作している。

その後ろに人が並んでいる。

遠くから見ても「何かを体験している場所」であることが分かります。

少なくとも今回の現場では、コンテンツそのものだけでなく、人が体験している様子まで含めて展示の一部になっていました。

これは、体験型の展示を考える際に重要なポイントだと思います。

展示物だけをデザインするのではなく、

「誰かが体験しているところを、次の来場者がどのように見るのか」

まで考える。

体験する人と、それを見る人をセットで考えることで、ブースの見え方は変わってきます。

体験を作るなら、運用まで考える

一方で、面白い体験を考えるだけでは、実際のイベントでは成立しません。

今回、当社ではタッチサイネージを貸し出すにあたり、実際に使用するアプリが問題なく動作するかを事前に確認しました。

また、当日の運営で困らないよう、機器の操作方法などをまとめた運用マニュアルも準備しました。

イベント当日に、

「アプリが動かない」

「サイネージの操作方法が分からない」

といったことが起きれば、せっかく考えた体験が負担になってしまいます。

来場者にとって面白い体験であることと、運営する側が無理なく扱えること。

この両方が揃って、初めて実際の展示として機能すると考えています。

展示方法から考えるのではなく、ターゲットから考える

展示会の相談を受けると、

「モニターを置きたい」

「動画を流したい」

「ゲームをやりたい」

といった手段から話が始まることがあります。

もちろん、それらが適しているケースもあります。

ただ、当社ではその前に、

「今回、誰に見てもらいたいのか」

「その人に何を感じてもらいたいのか」

「普段、その人はどんな状態で商品やサービスに接しているのか」

を整理した方がよいと考えています。

そして、その人にとっての「現実」が分かったら、少しだけ変えてみる。

大きくする。

動かしてみる。

触れるようにする。

実際にやっているところを見せる。

そうすると、新しいコンテンツを一から作らなくても、今持っている商品やサービスを違う体験として見せられる可能性があります。

今回の大型タッチサイネージも、その一つです。

重要なのはサイネージを使うことではありません。

ターゲットにとって当たり前のものを、どのように「見過ごせない体験」へ変えるか。

そこから展示方法を考えることが、集客の一つの考え方になると思います。

小さなブースでも「特別な体験」は考えられる

展示会では、大きなブースほど目立ちやすいのは当然です。

しかし、特別感を出す方法が、必ずしもブースを大きくすることだけとは限りません。

普段スマートフォンでしていることを、大きな画面でやってみる。

普段見るだけの商品を、実際に触れるようにする。

普段見えないものを、見える状態にする。

こうした「普段との違い」を整理していくことで、小さなスペースでも体験の作り方は考えられます。

展示方法を探す前に、

「自社のターゲットにとって、当たり前になっていることは何だろう」

と考えてみる。

その当たり前を少しだけ非日常へ動かすところから、展示会の新しい見せ方が見えてくるかもしれません。

株式会社アンドワイコンセプトでも、展示物や機材からではなく、ターゲットや展示目的を整理するところから展示会の体験づくりを考えています。