&Y CONCEPT
ガタンゴトンと揺れる電車の中、窓に映る自分に、ちょっとため息。 ようやく乗り切った一週間。早く帰って休みたいな…でも、ふとスマホに目を落とすと、カレンダーはもう8月の終わりを告げています。
「あれ、もう8月も終わり?今年の夏、何かしたっけ…」
そんな風に、少しだけ焦ったり、寂しくなったり。あなたも、そんな気持ちになっていませんか?
なんとなく指が滑って、開いてしまうのはカメラロール。 そこには、この一ヶ月の、なんてことない日常が並んでいます。
ところで最近、SNSのタイムラインでも、こんな写真を見かけませんか?
ピントはちょっと甘いけど、くしゃっと笑う子どもの顔。 構図なんてめちゃくちゃなのに、なぜか美味しそうに見える、サービスエリアで食べたソフトクリーム。 夕暮れの公園で撮った、ブレブレの影法師。 そして、夏の終わりに撮った、一本の線香花火。
プロが撮ったわけでもない、特別な場所に行ったわけでもない。 それなのに、後から見返すと、胸の奥がきゅっとなる。なんだろう、この「なんか、いいな」って気持ち。
SNSに溢れる「映える」写真とは少し違う、この温かい感情の正体。 今日は、ほんの少しだけ、デザイン会社の視点をスパイスに、その秘密を紐解いてみたいと思います。
(難しい話は一切しません!断言します)
完璧にピントが合った写真より、ちょっとだけブレていたり、端っこが見切れていたりする写真の方が、後から見返したときに、その場の空気感まで思い出せる気がしませんか?
それは、デザインの世界でいう「余白」の魔法によく似ています。
きっちり作り込まれた広告よりも、手書きの文字やラフなイラストに心が和むように、すべてを完璧に説明しないからこそ、私たちの心には「想像する隙間」が生まれるんです。
「この時、こんな話をして笑ってたな」 「この子の髪、風でふわってなってたな」
写っていない音や、匂いや、感情を、見る人が自分の記憶で埋めていく。だから、ただの記録が、自分だけの「物語」になる。 完璧じゃないから、愛おしい。なんだか、家族っていう関係にも、少しだけ似ている気がしませんか?
夏の思い出の写真に、どうして私たちはこんなにも心を揺さぶられるのでしょう。
その理由の一つは、きっと、そこに「時間」がデザインされているから。
あっという間に溶けてしまう、かき氷。 すぐに消えてしまう、線香花火の儚い光。 あっという間に日が暮れて、もう二度とやってこない、あの日の夕焼け。
「今、この瞬間しかない」
そんな切なさが、その一瞬をかけがえのない宝物にしてくれるんです。デザインも同じで、ただ美しい形を作るだけでなく、人の心がどう動くか、どんな記憶が生まれるか、という「時間」を設計することがあります。
スマホに残った、あの儚くて美しい一瞬は、知らず知らずのうちに、私たちが自分で自分の時間をデザインした、最高の作品なのかもしれませんね。
夏の太陽は、時として暴力的なくらい強いけれど、写真を見返したときに心に残っているのは、不思議と優しい光ばかり。
木漏れ日、ラムネ瓶を透ける光、夕暮れのオレンジ色の光。
これらはデザインの世界でいう「間接照明」の効果に似ています。部屋全体を煌々と照らす照明よりも、壁や床に反射した柔らかい光の方が、人をリラックスさせてくれる。
日常という部屋の中に、「家族との時間」という名の優しい間接照明が灯る。スマホの中の写真が温かく見えるのは、きっとその光が、私たちの心を直接照らしてくれているからなのでしょう。
デザインって、難しいルールブックじゃなくて、人の心を「なんだか、いいな」って温かくする、魔法みたいなものかもしれません。
そしてその魔法は、特別な場所や、高価なモノにだけ宿っているわけじゃありません。 私たちのスマホのカメラロールの中に、日常の何気ない瞬間に、ちゃんと隠れています。
8月が終わっても、また新しい毎日がやってきます。 もしあなたが、心惹かれるものや、「なんか好きだな」と感じる瞬間に出会ったら、ぜひ写真に撮ってみてください。
そこに隠れている小さなデザインの秘密が、あなたの毎日を、きっともっと愛おしくしてくれるはずです。
どうか、素敵な週末、そして素晴らしい9月を。
Document
こちらのページから、資料をダウンロードいただけます。
Contact Us
こちらのページから、お問い合わせいただけます。