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なぜ、御社の求人には若手が来ないのか?中小企業が「採用ブランディング」で最初に見直すべき3つのポイント

求人を出しても応募が集まらない。説明会を開いても若手が来ない。そんな状況が続くと、「うちは魅力がない会社なのかも」と不安になりますよね。けれど実際は、魅力が“ない”というより、魅力が“伝わっていない”ケースがとても多いです。

若手が応募を決めるまでの道のりは、想像以上に「体験の積み重ね」です。募集要項、発信内容、社員の言葉、面接でのやり取り。その一つひとつが、会社の姿勢を映す“ブランド体験”になっています。だからこそ、採用ブランディングはロゴやキャッチコピーより先に、土台から見直す価値があります。

若手が来ない原因は「条件」だけではない

給与や休日などの条件はもちろん大切です。ただ、条件が同程度の会社が並んだとき、最後に選ばれる理由は「この会社で成長できそう」「自分の価値観と合いそう」という納得感だったりします。ここでズレが起きると、どれだけ求人票を整えても反応は薄いままです。

ズレの正体は、多くの場合「誰に、何を、どう届けるか」が曖昧なことです。市場を広げすぎて“みんなに刺さる言葉”を探すほど、結果的に誰にも刺さらなくなります。まずは届けたい相手を具体化し、価値を言語化し、接点ごとの体験を一貫させる。これが採用ブランディングの基本になります。

最初に見直すべき3つのポイント

1. 「誰に」:採りたい若手像を“1人”まで具体化する

「若手なら誰でも」は、相手から見ると「自分のことではない」に聞こえます。年齢ではなく、価値観や志向で絞ってみませんか。たとえば「早く裁量を持ちたい」「専門性を積みたい」「地域に貢献したい」など、動機は人によって違います。

やり方はシンプルです。理想の候補者を1人思い浮かべ、その人の背景(学校・前職のイメージ)、いま抱えていそうな不安、仕事選びで大事にする軸を書き出します。
ただし、理想を高くしすぎると、結果的に他社に流れてしまうことも起きがちです。現実の採用競争も踏まえたうえで書き出すと、社内の納得感も出やすくなります。例えば、実際に働いている社員をモデルにすると、かなりしっくりきます。「その人と似たタイプ」や「その人と仲良く働けそうな人」が、貴社の理想の候補者になることも多いのではないでしょうか。ここまで具体化できると、言葉選びも発信先も自然に決まり、社内の認識も揃いやすくなります。

2. 「何を」:仕事内容を“成果と成長”で言語化する

若手が知りたいのは、仕事内容そのもの以上に「自分は何ができるようになるのか」です。そこで重要なのが、仕事の価値を“成果(誰のどんな課題を解決するか)”と“成長(どんな経験が積めるか)”で語ることです。

たとえば「やりがいがあります」だけでは伝わりません。「入社3か月で任される範囲」「1年後に求める状態」「上司や先輩が伴走する場面」「失敗が許容されるルール」など、現場のリアルを具体に落とし込みます。さらに、会社が大切にしている考え方(判断基準)を添えると、「ここなら自分らしく働けそう」という納得感につながります。
一方で、この“判断基準”をまとめるのは、世代の違いもあって想像以上に難しいところです。考えを整理したら、周りの若手や採用のプロに一度見てもらうと良いでしょう。注意したいのは、一人で完結させないことです。世代が変われば「成果と成長」の捉え方も変わるので、素直に意見を取り入れながら調整していくことが大切です。

3. 「どう届ける」:選考体験を“ブランド体験”として設計する

採用は、応募がゴールではありません。応募後の連絡、面接の進め方、質問の内容、フィードバックの有無。ここでの体験が、そのまま入社後の働き方の予告編になります。

たとえば、返信が遅い・情報が少ない・面接官によって言うことが違う。こうした小さな違和感は、若手ほど敏感に受け取ります。逆に、面接の目的と流れを事前に共有し、当日は“見極め”より“相互理解”を重視する。仕事内容の良い面だけでなく難しさも正直に伝える。こうした姿勢が信頼を生み、「ここなら挑戦できそう」という後押しになります。
ここで大事なのは、「この職場で働くイメージ」を持てるかどうか、そしてそのイメージが、その人の人生にとって“有益な体験になり得る”と感じられるかどうかです。仮に有益だと思われなくても入社してくれる可能性はありますが、同時に早期離職の可能性も高まり得る、という前提は持っておきたいところです。

今日からできるミニチェックリスト

  • 採りたい若手像を1人分、文章で説明できますか?
  • その人が検索しそうな不安や期待に、発信が答えていますか?
  • 仕事内容を「成果」と「成長」で具体的に語れていますか?
  • 応募〜面接までの体験に、一貫したメッセージがありますか?

まとめ:採用は“正しい価値”を“届けたい一人”に伝える活動

若手が来ないとき、焦って媒体や表現を増やしたくなります。でも先に整えるべきは、届ける相手と価値の解像度です。採用ブランディングは、会社の考え方を言葉にし、接点の体験として一貫させる取り組みです。
そして、自社と求職者の双方が「長く付き合えるイメージ」を持てるように設計していくことが、結果的に採用の安定につながっていきます。

「誰に、何を、どう届けるか」が整理できた瞬間、発信は強くなり、選考の会話も深くなります。結果として、条件競争ではなく“共感で選ばれる採用”に近づいていきます。まずは3つのポイントから、できるところを一つだけでも整えてみませんか。