&Y CONCEPT
「今日は何を出しますか?」。会議のたびに問われ、締め切り間際に“とりあえずの投稿”で乗り切る――。反応は悪くないのに、問い合わせにはつながらない。広報担当としての焦りの根っこは、「語るべき物語」が曖昧なまま、単発の情報発信だけが積み上がっていくことにあります。けれど、物語は“作る”のではなく“掘り出す”もの。企業の原点と日々の現場に眠る小さな変化を、相手の行動が変わる形に編集できれば、投稿は迷いから解放されます。
ネタ不足は原因ではありません。真因は、①誰のどんな誤解をほどきたいのか(認知のズレ)、②それをほどくために何を約束できるのか(独自のやり方)、③日々の出来事をどう価値に変換するのか(編集方針)が未設計なこと。ここが曖昧だと、情報は散発し、相手には“良さそうだが自分ごとではない”と映ります。広報の仕事は事実の列挙ではなく、事実を通じて「なぜこの会社か」を相手の頭と心に同時に届ける構造設計です。つまり、企業ストーリー 発信 方法の核心は“語順”ではなく“編集順”にあるのです。
はじめに、次の一文を作ります。「私たちは【誰】の【どんなズレ】を、【こうした約束】で解消し、【どんな関係】を実現する」。会議の最初に読み上げられるほど短く、現場が判断に使えるほど具体的に。以降の全投稿は、この一文に対する“証拠集め”にします。
発信は「起点→転換→価値化」で組み立てます。
「読者の状態 × 伝える内容」で迷いを消します。
現場写真・メモ・数字を、1日の終わりに3点だけ共有フォルダへ。広報は翌朝30分で編集(タイトル→起点→転換→価値化→約束の順)。“収集”と“編集”を時間で分離すると、スピードと品質が両立します。
追うべきは保存率(価値の再閲覧性)、プロフィール遷移率(関心の深まり)、具体行動(資料請求・相談)。数字は“よかったね”ではなく“次に何を試すか”の会話の起点です。
物語は、美談ではなく“関係を変える設計図”です。誰にどんなズレがあるのかを見極め、約束と証拠で一貫して語れば、発信は迷いから解放され、社内外の意思決定が揃っていきます。投稿は一回の勝負ではありません。小さな変化を積み上げ、相手の時間を尊重し続けること。結果として、価格だけで測られない信頼が育ち、関わる人すべてが気持ちよく働ける関係が生まれます。今日の30分で、まず「物語の一文」をつくりましょう。明日の投稿は、もう迷いません。
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