• システム開発

業務をそのままシステム化する前に|まず「何のための業務か」を整理する

「社内の情報がいろいろな場所に散らばっている」

「Excelでの管理が複雑になってきた」

「担当者しか分からない業務が増えている」

こうした状況になると、業務システムを導入したり、新しくシステムを開発したりすることを考える場合があります。

もちろん、システム化によって解決できることはあります。

ただ、実際に業務を整理していると、システムを作る前に考えた方がいいことがあると感じています。

それが、

「そもそも、この業務は何のためにやっているのか」

ということです。

今回は、実際に業務フローを整理した経験から、システム開発の前に業務の目的を整理することについて書いてみます。

手法が業務の目的になってしまうことがある

長く続いている業務では、

「この作業は○○さんがやる」

「このExcelに入力する」

「この書類を作る」

「この順番で確認する」

といったルールが出来上がっています。

日常的にその方法で仕事をしていると、それが業務そのものに見えてきます。

ところが、一つひとつの作業について、

「なぜ、この作業が必要なのか」

と確認していくと、意外と説明するのが難しいことがあります。

手法や担当者に依存しすぎた結果、何のためにその業務を行っているのかが見えにくくなっていたからです。

この状態のままシステム化すると、現在の複雑な業務を、そのままデジタルに置き換えることになってしまいます。

まず業務フローを分解して、目的から考え直した

そこで実際に行ったのが、現在の業務フローを一度分解することでした。

「誰が何をしているか」だけを見るのではなく、

会社として何を実現したいのか

そのために、この業務は何を担っているのか

その目的を達成するために必要な作業は何か

現在はどのような方法で行っているのか

という順番で考えていきました。

こうして整理すると、「現在やっている作業」と「本来必要な役割」を分けて考えやすくなります。

例えば、Excelへの入力そのものが目的なのではありません。

その先にある、

「必要な情報を管理する」

「関係者が状況を確認できるようにする」

「次の対応を判断できるようにする」

といった目的があります。

方法ではなく目的から考えることで、本来の業務フローが少しずつ見えるようになりました。

同じような仕事をしている人にも聞いてみた

今回、社内の業務だけを見て判断するのではなく、似たような業種の方にも業務の進め方を聞いてみました。

そこで興味深かったのが、細かな手法は違っていても、最終的に実現しようとしていることは似ていたことです。

ある人はExcelを使う。

ある人は別の管理方法を使う。

確認するタイミングや担当者も違う。

それでも、

「この情報を把握したい」

「この状態まで管理したい」

という目的をたどると、同じ方向を向いていました。

ここから、業務を考えるときには「現在の方法」に縛られすぎない方がよいと感じました。

手法と目的を分けると、システム化する場所が見えてくる

システム開発を考えるとき、

「いまExcelでやっていることをシステムにしたい」

というところからスタートすることがあります。

しかし、本当に必要なのはExcelをシステムに置き換えることとは限りません。

目的から業務を整理すると、

「この情報は一度入力すれば十分ではないか」

「ここは別の担当者とも共有した方がいい」

「この確認作業は自動化できそう」

「ここは人が判断した方がいい」

といったことが見えてきます。

つまり、

業務整理 → 業務フローの再構築 → システム化する範囲の検討

という順番で考えた方が、システムに求める役割を整理しやすくなります。

属人化を一気になくす必要はないと思っています

今回もう一つ感じたのが、手法が人に依存すること自体を、すべて悪いものとして考える必要はないということです。

長年仕事をしていれば、それぞれに慣れた方法があります。

経験によって身についた判断もあります。

それを突然、

「明日から全員このやり方にしてください」

と変えるのは簡単ではありません。

むしろ大切なのは、

新しい人が入っても仕事ができる状態へ、少しずつ変えていくこと

だと考えています。

そのためにも、まず「誰がやるか」「どうやるか」から離れて、その業務が担っている目的と役割を共有しておくことが重要です。

目的が共有されていれば、手法が多少変わっても、同じ方向に仕事を進めやすくなります。

社内の情報管理に悩んだら、システムを探す前に整理してみる

社内の情報管理に困っていると、新しいツールやシステムを探したくなります。

ただ、その前に一度、現在の業務について次のようなことを確認してみるとよいと思います。

  • この業務は何のために存在しているのか
  • 最終的にどのような状態になれば完了なのか
  • そのために本当に必要な情報は何か
  • 現在の作業のうち、目的ではなく単なる手法になっているものはないか
  • 人が判断すべき部分と、システムに任せられる部分はどこか

ここが整理できると、「どんなシステムを入れるか」より先に、**「システムに何をさせるべきか」**が見えやすくなります。

まとめ

今回、業務フローを整理し、似たような仕事をしている方にも話を聞いたことで、手法が違っていても、仕事の目的は共通していることに気付きました。

だからこそ、現在行っている作業をそのままシステム化するのではなく、

目的を整理する

必要な業務を考える

業務フローを組み直す

システム化できる部分を考える

という順番が大切だと考えています。

システムは、現在の仕事をそのままデジタルに移すためだけのものではありません。

これから新しい人とも一緒に仕事ができる組織にしていくために、業務そのものを見直すきっかけとして使うこともできます。

株式会社アンドワイコンセプトでは、社内の情報管理や業務システムについて考える際も、いきなりシステムを作るのではなく、まず業務の目的や流れを整理するところから一緒に考えています。