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Web制作会社に依頼する前に決めておくべきこと。「デザイン」の前に「コンセプト」が必要なこれだけの理由

「見た目が古いから、そろそろWebを作り直したい」。そう思って制作会社を探し始めたのに、打ち合わせが進むほど「結局、何を頼めばいいんだろう」と不安になることがあります。しかも、費用も時間もかけたのに、公開後は問い合わせが増えない。これは珍しい話ではありません。原因はデザインの良し悪し以前に、“土台”が決まっていないことが多いからです。

デザインは「答え」ではなく「表現」です

デザインは、コンセプトをわかりやすく伝えるための手段です。ところがコンセプトが曖昧なままだと、制作側は見た目の好みや競合っぽさに寄せた“無難な案”に着地しがちです。結果として、きれいだけれど「どんな価値を、誰に、どう約束しているのか」が伝わらないサイトになります。

よくあるズレの正体

たとえば「信頼感のあるデザインにしたい」という要望は、一見わかりやすいようで、実は人によって意味が違います。堅い雰囲気なのか、実績の見せ方なのか、専門性の示し方なのか。言葉が抽象的なほど、完成物は“それっぽい”のに刺さらない、という状態になりやすいです。

コンセプトがないと、Webは「不幸な仕事」になりやすい

コンセプトが決まっていない制作は、途中から判断基準がなくなります。修正が増え、関係者の好みが混ざり、公開の延期や追加費用にもつながります。お互いに頑張っているのに、最後に残るのは「疲れた」「何が正解かわからない」という感情です。これは発注側にとっても制作側にとっても、あまり幸せではありません。

そもそもWebは営業と同じで「誰に何を届けるか」が先

Webは24時間働く営業担当のようなものです。営業が「相手も目的も決めずに、とりあえず名刺と資料だけ作る」と成果が出ないのと同じで、Webも「とりあえずデザイン」では結果が安定しません。ここで必要なのが、マーケット定義とペルソナ設定を含むコンセプト設計です。

依頼前に決めておくと、制作が一気に楽になる5つの要点

ここからは、Web制作会社に依頼する前のコンセプトを形にするための、最低限の整理ポイントです。完璧である必要はありませんが、方向性が言語化されるだけで、提案の質もスピードも変わります。

1) 目的:Webで起こしたい「次の行動」

問い合わせ増、採用応募、資料請求、来店予約など、最終的に増やしたい行動を一つ決めます。複数ある場合も、優先順位をつけると設計がブレません。

2) 相手:一番届けたい「たった一人」の輪郭

年齢や業種だけでなく、悩み・迷い・判断基準まで想像してみます。「何に不安を感じて検索しているか」「何を見たら安心して連絡できるか」を言葉にすると、必要なコンテンツが見えてきます。

3) 価値:その人にとっての“正しい価値”は何か

自社の強みを並べるより、「相手が得をする状態」を中心に置きます。時間が短縮できるのか、失敗が減るのか、安心が得られるのか。価値が定義されると、コピーや構成が自然に決まります。

4) 約束:選ばれるための一貫したメッセージ

「私たちは何を大切にしているか」「どんな姿勢で向き合うか」を短い文章にします。これがあると、トップページから下層ページまでトーンが揃い、ブランド体験が途切れません。

5) 証拠:信頼をつくる材料の棚卸し

実績、事例、プロセス、よくある質問、対応範囲、料金の考え方など、安心材料を洗い出します。ここが不足しているなら「何を用意すれば信頼が増えるか」まで一緒に設計できると、公開後の成果が出やすくなります。

まとめ:コンセプトが決まると、デザインは迷わなくなる

Web制作で成果を分けるのは、デザインのセンスというより「判断基準があるかどうか」です。Web制作会社に依頼する前のコンセプトが言語化されていれば、提案は比較しやすくなり、修正も減り、何より“伝わるWeb”に近づきます。

デザインは、コンセプトという芯があって初めて輝きます。まずはマーケット定義とペルソナ設定から始めて、自社の“正しい価値”を「本当に届けたい一人」に向けて整えてみませんか?その土台ができた瞬間、Web制作は「苦しい作業」ではなく、未来の関係づくりに向けた前向きなプロジェクトに変わっていきます。