&Y CONCEPT
事業承継のタイミングは、社名や商品が同じでも「会社の意味」が更新される瞬間です。新社長に就任した直後は、期待と同時に、社員側には「何が変わるのか」「自分たちは置いていかれないか」という不安が生まれやすいものです。ここでリブランディングを“外向けの見た目づくり”ではなく、“内側の心をそろえる作業”として扱えると、組織の空気は一気に前向きになります。
事業承継で起こりがちなのは、戦略より先に「新体制の号令」だけが走ってしまうことです。すると現場は、旧来のやり方を守る人と、新方針に合わせようとする人に分かれ、会議や営業資料、採用の言葉までバラバラになっていきます。外部への発信も一貫しないので、結果的に“正しい価値”が伝わらず、頑張りが報われにくい仕事が増えてしまいます。
リブランディングの本質は、「誰に、どんな価値を、どんな約束として届けるのか」を言語化し、全員の判断基準にすることです。これがあると、現場の迷いが減り、部門をまたいだ協力が起きやすくなります。
最初にやりたいのは、社内外の認識差を集めることです。社員へのヒアリングでは「誇りに思う点」「やりにくさ」「お客様に一番感謝された瞬間」を聞き、暗黙の強みを掘り起こします。同時に、既存顧客・失注顧客・見込み客の声から、選ばれる理由と離れる理由を整理します。
ここで大事なのは、対象市場を広げすぎないことです。得意領域を絞り込み、「本当に届けたい一人(象徴的な顧客像)」を置くと、後の意思決定がブレにくくなります。
診断結果をもとに、会社の存在意義(なぜ)、独自性(どうやって)、提供価値(なにを)を一本のストーリーにまとめます。ポイントは、先代の功績を否定せず、未来への橋をかける語り口にすることです。
さらに、そのコンセプトから「判断のものさし」を作ります。たとえば、提案・採用・価格・協業の判断で迷ったとき、何を優先するのか。これが明確になると、現場は“社長の顔色”ではなく“会社の約束”で動けるようになります。
次に、コンセプトを日常の体験に変換します。具体的には、朝礼や会議で使う共通フレーズ、提案書や見積の語彙、電話応対、現場の安全・品質の基準など、「行動に直結する形」にします。
この段階では、全社員を一度に動かそうとせず、影響力のある現場リーダーを巻き込んで小さく試すのが現実的です。成功体験が出ると、納得感が伝播し、反発よりも参加が増えていきます。
最後に、続ける仕組みを用意します。月1回でもよいので、現場の事例を集めて「コンセプトに沿った良い判断」を称える場を作る。逆に、ズレが出たときは責めるのではなく、判断基準を微調整する。こうした運用が確立すると、リブランディングはイベントではなく文化になります。
外部発信(採用・営業・広報)も、この順番で整えると、社員の言葉と外の言葉が一致し、信頼が積み上がりやすくなります。
事業承継は、新社長だけの挑戦ではなく、社員全員が「この先の会社をどうつくるか」を決め直す機会です。診断でズレを見える化し、コンセプトで判断基準をそろえ、体験として日常に落とし、運用で文化にしていく。この流れを丁寧に踏むほど、社内の不安は減り、組織の力は一つに向かいます。
第2の創業を、社員が誇れる“みんなの物語”にしていきませんか。
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